日本においてシソは、長い間親しまれている人気の高い伝統的なハーブです。
しかし、シソを植える際には注意が必要な点がいくつかあります。
それにもかかわらず、適切な管理を行うことで、シソを無事に育てることができます。
この記事では、シソを植える際の注意点、赤シソと青シソを同じ場所に植えない理由、そしてシソの育て方について詳細に説明します。
シソを植える際の注意点
シソは、自宅の庭や菜園には不向きな植物であると考えられています。
その主な理由には、種が広がりやすく大量に増えること、およびヨウトウ虫の発生があります。
種の広がりによる大量繁殖
シソは開花後に種をつけ、それが地面に落ちると、翌年には自然に発芽して成長します。
少量であれば問題ありませんが、種が庭や菜園全体に広がり、数多くの芽が出始めると問題となります。
シソは一度地に根を下ろすと制御が難しくなり、園芸家の間ではその強い繁殖力で知られています。
手間をかけずとも成長し、年を追うごとに勢いを増すため、庭や菜園がシソで覆われ、他の植物の成長を妨げることから、「植えるべきでない」とされています。
ヨウトウ虫の問題
シソは強い香りを持つ和製ハーブであり、イモムシやナメクジは遠ざけますが、ヨウトウ虫の幼虫にとっては絶好の食料です。
この害虫は非常に食欲旺盛で、シソだけでなく白菜やキャベツなどの野菜にも被害を及ぼします。
シソを植えることにより、他の野菜への虫食い被害が広がる可能性があるため、「植えるべきでない」と考えられています。
赤シソと青シソを同時に植えない理由
赤シソと青シソを同じ場所に植えることはおすすめできません。
品質の低下を招く交雑
シソを植えると、次の年も種が落ちて自然に成長します。
赤シソと青シソが近くにあると、両者が交雑しやすくなり、その結果生まれるシソは香りが弱く、葉の色が鮮やかでなくなるなど、品質が低下します。
交雑種は元の品種に戻すことができず、種が散布されると、庭がシソで溢れかえる可能性があります。
一時的な栽培なら問題なし
しかし、赤シソと青シソを1年だけ栽培する場合は、同時に植えても問題ありません。
花が咲く前に摘み取ることで、種が落ちて発芽する心配はありません。
シソの適切な管理方法
シソの植栽には懸念点がありますが、以下の点に注意して栽培することで、問題なく育てることが可能です。
- 地植えではなく、鉢植えやプランターを使用し、種が直接土に触れないようにします。
- 害虫対策を徹底します。
- 赤シソと青シソは1年で摘み取り、種ができる前に花を取り除きます。
シソ栽培の最大の課題は、種が広がることです。これを防ぐためには、鉢植えやプランターでの栽培が推奨されます。適切な場所で管理することで、安心して育てられます。
シソ栽培の基礎知識と育て方のポイント
シソの栽培においては、一つの鉢に一株を植えることが推奨されています。これで、3～4人家族のニーズを満たすことができます。
土選び
良好な排水性を持つ土を選べば、どのタイプを使っても大丈夫です。
ホームセンターで販売されている野菜栽培用の土が、手に入りやすく便利です。
種まき
シソの種は、温度が20℃以上の環境下で発芽しますので、4月以降を種まきの適期とします。
土をプランターや鉢に入れた後、種をまき、その上から5mm程度の土で覆い、水やりをして土が乾燥しないようにします。
間引きと摘心
シソは発芽率が高いため、全ての芽を育てると株間が狭くなり、互いの成長を妨げ合います。
適度な間引きを行い、十分なスペースを確保します。株が約15cmに成長したら、横成長を促すために茎の先端を切ります（摘心）。
肥料の選び方と施肥
最初に使用する培養土にはすでに肥料成分が含まれているため、追加の施肥は最初のうちは不要です。
本葉が展開してからは、2週間に1回化成肥料を施すと良いでしょう。
水やり
土の表面が乾いたら、鉢底から水が漏れる程度にたっぷりと水をやります。
水やりは土の乾燥具合に応じて行うことが重要です。
収穫方法
葉が10枚以上に増えたら、株の下部から大きな葉を収穫します。
9月頃に花穂が形成され始めたら、種ができ地面に散布される前に早めに摘み取ります。
新しい種での栽培
毎年新しいシソの種を購入することが推奨されます。
こぼれ種での栽培は、香りや風味の劣化や、交雑による品質の低下などの問題を引き起こす可能性があります。
新しい種はホームセンターや百均で手頃な価格で入手可能です。
赤シソと青シソの違い
赤シソと青シソの最大の違いは葉の色です。赤シソは紫色をしており、アントシアニンを豊富に含んでいます。一方、青シソにはそれがほとんど含まれていません。
赤シソは色付けの目的で使用されることが多く、青シソはその強い香りで様々な料理に利用されます。
エゴマとシソの関係
エゴマと青シソは外見が似ており、同じシソ科に属しますが、交雑のリスクを避けるため、別々に栽培することが推奨されます。
シソの名前の由来
「紫蘇」という名前は中国から来た言葉で、伝承によるとカニ中毒から回復した若者がシソの葉を用いたことから、「紫の蘇る草」と名付けられました。
シソは食品の安全と風味を高めるために使われます。
まとめ
シソ栽培時の主な懸念点は、広範囲に繁殖する可能性と害虫の発生です。
これらは適切な害虫対策と種の管理で防げます。
赤シソと青シソを同時に栽培する場合は、交雑を避けるために必要な措置をとります。
これら注意点をよく守って、きちんとお世話をすると問題ないので、ぜひチャレンジしてみてください！
最後までお読みいただきありがとうございました。
